加工食品の栄養成分表示について
2019.10.30
こんにちは、協同食品株式会社(グルマンクラブ)の山野井です。
前回の「BMI値」と「1日に必要なエネルギーの量」に続き、
今回は「加工食品の栄養成分表示」についてご紹介します。
2015年4月1日に「食品表示法」が施行され、その中のルールの一つとして
「加工食品の栄養成分表示」が義務化され、国内製造の加工食品は2020年3月31日まで
経過措置期間中となっており、輸入品は2020年4月1日の輸入分より適用となっており、
弊社も昨年から準備に取り掛かっております。
すでに、店頭などでさまざまな商品が栄養成分表示が記載されていることを目にしますが、
どのようなものなのでしょうか。
● 必須記載項目は5項目
食品表示法では、栄養成分【①熱量と三大栄養素である②たんぱく質 ③脂質 ④炭水化物
および ⑤ナトリウム(食塩相当量に換算して表示)】の5項目を必須表示とし、
また、一定のルールに従って、その加工食品の特性をさらに詳しく表示することができます。
● 五大栄養素と三大栄養素について
栄養素は、食物の中に含まれている物質のうち人間のからだに必要な成分であり、それらには
① 筋肉や骨、歯、血液などをつくる
② エネルギーをつくる
③ 体調を整える
という3つの役割があり、教科書にも載っています。
三大栄養素は、糖質・脂質・たんぱく質であり、これにビタミン・ミネラルを加えたものが
五大栄養素になります。
三大栄養素はパワーの源であり、糖質とたんぱく質は1グラムあたり4キロカロリー、脂質は
9キロカロリーのエネルギーを発生させます。
ただし、たんぱく質は平常時にはエネルギーというよりは、細胞・ホルモン・酵素・遺伝子・
免疫抗体などの構成成分として優先的に利用されます。
ご存知のとおり、炭水化物は前述の糖質と食物繊維で構成されております。
糖質は消化されてエネルギーになりますが、食物繊維のほとんどは体内で消化されません。
● エネルギー【熱量】換算係数 「(修正)アトウォーター係数」について
日本の食品表示基準では、食品表示上のエネルギー【熱量kcal】の計算方法として
「(修正)アトウォーター係数」が利用されていることが一般的です。
「(修正)アトウォーター係数」は文献によりますと、人体内で体成分が酸化分解を受けて
代謝されるとき、1グラムにつき4.1キロカロリー、脂質なら9.45キロカロリー、
たんぱく質なら4.35キロカロリーのエネルギーが生じるといわれてきましたが、
食品の場合は消化吸収を考慮してこの数値を補正する必要があるとして、炭水化物を4キロ
カロリー、脂質を9キロカロリー、たんぱく質を4キロカロリーとして食品内のカロリー
計算に用いています。
ただし、このほかにアルコールや有機酸を含んでいる場合や炭水化物内の糖質(消化性糖質
と難消化性糖質)および食物繊維を考慮したエネルギー換算係数を用いる場合もありますので
若干の誤差がある場合もございます。
● では、ビタミン・ミネラルって??
よく食品のコマーシャルやキャッチコピーなどに「ビタミン・ミネラルが豊富!」とか
「ビタミンやミネラルがたっぷり!」と目にしたり耳にしたりとすることがあると思いますが、
それぞれ重要なはたらきをしてくれています。
1.ビタミン
ビタミンとは、生命維持の代謝に必須の成分で有機物(炭素を含む物質)の栄養素であり、
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。
① 水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、ビタミンB群やビタミンCであり、体内で合成できません。
これらは、三大栄養素の代謝に重要なはたらきをしており、水に溶けるので過剰に
摂取してもかんたんに排泄されますが、体内に貯めることができないので、欠乏症に
注意が必要で、常に必要量を摂取しなければなりません。
② 脂溶性ビタミン
その名のとおり脂肪に溶け生体内の特異的な作用に関与するといわれ、ビタミンA、
ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあり、肝臓などに貯蔵できるので、欠乏症に
なりにくいですが、過剰症に注意しなければなりません。
2.ミネラル
ミネラルは、体の構成成分のうち、酸素・炭素・水素・窒素以外の元素の総称で無機質
ともいわれ、電解質と必須微量元素がございます。
① 電解質
ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウムなどの電解質は体に必須の
元素です。
体の構成成分で最も多いミネラルは、骨の成分であるカルシウムとリンで、
体液に多いのがナトリウム、カリウム、クロールで、細胞内液にはカリウム、
血漿(けっしょう=血液に含まれる液体成分)などの細胞外液にはナトリウムと
クロールが多く含まれます。
② 必須微量元素
体内含有量が鉄より少ないもの、あるいは一日の必要量が100mg以下の元素の
ことで、鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデンです。
● まとめ
いかがでしたでしょうか?
じつは、栄養成分表示はもう一つの表示方法があり、上述の5項目のほかに脂質の詳細
【 飽和脂肪酸、n-3(オメガ3)系脂肪酸、n-6(オメガ6)系脂肪酸および
コレステロール など 】と炭水化物の詳細【 糖質(糖類も含めた)と食物繊維 】や
ビタミン、ミネラル類を表示して、その商品の特徴をPRできるわけですが、弊社が
取り扱う輸入食品はなかなか情報がすべて集まらないので、5項目までの表示にしております。
今回は各項目の詳細についてのご紹介はできませんが、あらためて項目別にご紹介できればと
思っております。
以前、営業として10年以上従事していた時は、このようなことはまったく興味がありません
でしたが、品質管理の部署を作ったときに一番最初に学習した項目であり、これがなかなか
奥深く、おもしろく興味が湧いたものです。
グルマンクラブ公式ホームページ : http://www.gourmand-club.com
前回の「BMI値」と「1日に必要なエネルギーの量」に続き、
今回は「加工食品の栄養成分表示」についてご紹介します。
2015年4月1日に「食品表示法」が施行され、その中のルールの一つとして
「加工食品の栄養成分表示」が義務化され、国内製造の加工食品は2020年3月31日まで
経過措置期間中となっており、輸入品は2020年4月1日の輸入分より適用となっており、
弊社も昨年から準備に取り掛かっております。
すでに、店頭などでさまざまな商品が栄養成分表示が記載されていることを目にしますが、
どのようなものなのでしょうか。
● 必須記載項目は5項目
食品表示法では、栄養成分【①熱量と三大栄養素である②たんぱく質 ③脂質 ④炭水化物
および ⑤ナトリウム(食塩相当量に換算して表示)】の5項目を必須表示とし、
また、一定のルールに従って、その加工食品の特性をさらに詳しく表示することができます。
● 五大栄養素と三大栄養素について
栄養素は、食物の中に含まれている物質のうち人間のからだに必要な成分であり、それらには
① 筋肉や骨、歯、血液などをつくる
② エネルギーをつくる
③ 体調を整える
という3つの役割があり、教科書にも載っています。
三大栄養素は、糖質・脂質・たんぱく質であり、これにビタミン・ミネラルを加えたものが
五大栄養素になります。
三大栄養素はパワーの源であり、糖質とたんぱく質は1グラムあたり4キロカロリー、脂質は
9キロカロリーのエネルギーを発生させます。
ただし、たんぱく質は平常時にはエネルギーというよりは、細胞・ホルモン・酵素・遺伝子・
免疫抗体などの構成成分として優先的に利用されます。
ご存知のとおり、炭水化物は前述の糖質と食物繊維で構成されております。
糖質は消化されてエネルギーになりますが、食物繊維のほとんどは体内で消化されません。
● エネルギー【熱量】換算係数 「(修正)アトウォーター係数」について
日本の食品表示基準では、食品表示上のエネルギー【熱量kcal】の計算方法として
「(修正)アトウォーター係数」が利用されていることが一般的です。
「(修正)アトウォーター係数」は文献によりますと、人体内で体成分が酸化分解を受けて
代謝されるとき、1グラムにつき4.1キロカロリー、脂質なら9.45キロカロリー、
たんぱく質なら4.35キロカロリーのエネルギーが生じるといわれてきましたが、
食品の場合は消化吸収を考慮してこの数値を補正する必要があるとして、炭水化物を4キロ
カロリー、脂質を9キロカロリー、たんぱく質を4キロカロリーとして食品内のカロリー
計算に用いています。
ただし、このほかにアルコールや有機酸を含んでいる場合や炭水化物内の糖質(消化性糖質
と難消化性糖質)および食物繊維を考慮したエネルギー換算係数を用いる場合もありますので
若干の誤差がある場合もございます。
● では、ビタミン・ミネラルって??
よく食品のコマーシャルやキャッチコピーなどに「ビタミン・ミネラルが豊富!」とか
「ビタミンやミネラルがたっぷり!」と目にしたり耳にしたりとすることがあると思いますが、
それぞれ重要なはたらきをしてくれています。
1.ビタミン
ビタミンとは、生命維持の代謝に必須の成分で有機物(炭素を含む物質)の栄養素であり、
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。
① 水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、ビタミンB群やビタミンCであり、体内で合成できません。
これらは、三大栄養素の代謝に重要なはたらきをしており、水に溶けるので過剰に
摂取してもかんたんに排泄されますが、体内に貯めることができないので、欠乏症に
注意が必要で、常に必要量を摂取しなければなりません。
② 脂溶性ビタミン
その名のとおり脂肪に溶け生体内の特異的な作用に関与するといわれ、ビタミンA、
ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあり、肝臓などに貯蔵できるので、欠乏症に
なりにくいですが、過剰症に注意しなければなりません。
2.ミネラル
ミネラルは、体の構成成分のうち、酸素・炭素・水素・窒素以外の元素の総称で無機質
ともいわれ、電解質と必須微量元素がございます。
① 電解質
ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウムなどの電解質は体に必須の
元素です。
体の構成成分で最も多いミネラルは、骨の成分であるカルシウムとリンで、
体液に多いのがナトリウム、カリウム、クロールで、細胞内液にはカリウム、
血漿(けっしょう=血液に含まれる液体成分)などの細胞外液にはナトリウムと
クロールが多く含まれます。
② 必須微量元素
体内含有量が鉄より少ないもの、あるいは一日の必要量が100mg以下の元素の
ことで、鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデンです。
● まとめ
いかがでしたでしょうか?
じつは、栄養成分表示はもう一つの表示方法があり、上述の5項目のほかに脂質の詳細
【 飽和脂肪酸、n-3(オメガ3)系脂肪酸、n-6(オメガ6)系脂肪酸および
コレステロール など 】と炭水化物の詳細【 糖質(糖類も含めた)と食物繊維 】や
ビタミン、ミネラル類を表示して、その商品の特徴をPRできるわけですが、弊社が
取り扱う輸入食品はなかなか情報がすべて集まらないので、5項目までの表示にしております。
今回は各項目の詳細についてのご紹介はできませんが、あらためて項目別にご紹介できればと
思っております。
以前、営業として10年以上従事していた時は、このようなことはまったく興味がありません
でしたが、品質管理の部署を作ったときに一番最初に学習した項目であり、これがなかなか
奥深く、おもしろく興味が湧いたものです。
グルマンクラブ公式ホームページ : http://www.gourmand-club.com